《コースタイム》
コンパス⇒寒風山トンネル登山口⇒桑瀬峠⇒寒風山(休憩~)⇒桑瀬峠⇒登山口⇒コンパス
《メ モ》
寒風山レポート
「人間を笑うが如し年の暮れ 子規」今年もアッと言う間に年の暮れ、
楽しかった「みの吉」での忘年会の余韻が残っております。
本日は年の瀬の喧騒を忘れて、納山会で「寒風山1763m」に挑戦です。
あの素晴らしい樹氷が見えるか期待が膨れます。
メンバーは11人、男性が多く7人。平均年齢を下げてくれるO.N.Sさん達の姿が見えない。
降水ナウキャストでレーダーを見ると四国上空に雲など無く好天のよう幸先がいいぞ。
師走の街はまだ夜が明けきってない。
「仕事といったら寝過して お山といったら飛び起きて
一人でサッサと支度して ソーッと出ていく ○○さん」
こんな調子で遅刻なし。
山カップルのKさん、新妻のYさんが見送り。うらやましー。
定刻コンパスをスタート。
通い慣れたR11を東進、四国山脈がモルゲンロートに輝く。
西条の加茂川橋で右折、R194の川沿いを遡り、寒風山トンネルに向かう。
渓谷を見上げると前方の山の頂きが白銀に輝いている。
寒風山トンネル5432mの長さは、何回も通ったので覚えてしまった。
トンネルを抜けると高知県は快晴だった。
左折し一の谷の林道に入る。
景色は一変雪景色。道路はピカピカ、カチカチのアウトバーン。こりゃー大変だ。
くねくねのヘヤーピンカーブを慎重に上り、桑瀬峠登山口の駐車場に到着。
積雪で真白な駐車場には早や10台ほどの車両が、
ウイークデイなのに山に取り付かれた暇人が意外に多いんだ。
周辺を見渡すと季節営業の寒風茶屋は閉店、ボットントイレが水洗に建て替わっている。
雪の中に飛び込んだので寒いー。

アイゼンを付けて身支度をし、ウオーミングアップ、
登山口案内板を囲み「ハイポーズ」記念撮影。

9:30積雪の登山口をスタート。

いきなり鼻擦り九十九折れの急坂をトレースして行く。
樹林帯を20分ほど登り服装装備の再点検。
高知のグループが追い越して行く。
落葉した灌木の枝に綿ぼうしが光っている。
時々雪玉が飛び交うが、投げた者特定できず。
桑瀬峠までの中間どころ「桑瀬峠25分」の標識を通過。
左前方の大ガレ場は積雪で真っ白。
だんだん登りが緩くなり、ツツジの枝に樹氷がトンネル状になっており潜り抜けて行く。
やがて視界が開け、冠山や平家平がガスの中に姿を見せる様になった。

ササ原を登りつめると前方に三角推の岩峰がくっきり現れた。
寒風山の手前の岩場だ。

10:30桑瀬峠到着。ここは伊予富士と寒風山の三叉路分岐点でコルになっている。
名物の風が瀬戸内側の谷を吹き上げて来て寒い。
現在の気温は2℃。
「いくたびも雪の深さを尋ねけり 子規」
下りてきた高知弁のおんちゃんに積雪状況を聞くと「ここら辺とかわらん」と言う。
「ほんとかなー」
時々日が差し、周辺の景色が輝くが、

長居は無用頂上に向かう。
標識に「寒風山1時間」と出ている。
ガスが薄れ寒風山が雄姿を見せるようになった。
登山道は右に視界が開けた。

日差しを受けて平家平が真っ白に輝いて見える。

登るほど雪は深くなり(さっきのおんちゃんの話と大分違う)樹氷が見事になる。
ガラス細工の宮殿の中を行くようだが、いいことばっかりは無い。

岩場を越える時「はしご」があり、ロープが張られている。
三点確保で慎重に行けば問題は無い。
左に視界が開けると状況は変わる。
海側から吹き上げてくる風は痛いほど冷たい。
寒風山はその昔「さむかぜやま」と言われていたそうな。
むべなるかなである。

頂上付近のササ原は一面の雪原。
見上げれば紺碧の空に稜線がくっきり浮かんでいる。
思わず「雪山賛歌」を口ずさみたくなるが、息はゼーゼー。
足は鉛がくっ付いたようだ。

12:10寒風山頂上に立つ。
天気予報の通り晴れ、善男善女の集まりで天も味方のようだ。
気温は-4℃。体感温度は風速1mに付き1℃下がるので、風速により-2桁になることも。
まずお決まりの記念撮影。
次は寒風を除け南面に陣取り昼食。

温かいコーヒーのサービスに身体も芯から温もる。

天気はどんどんよくなり360度大パノラマが開ける。
皆で脳にインプットされた地図と山座同定。
東に笹ヶ峰、冠山、平家平、遠く剣山系
西に伊予富士、筒上山、西黒森、瓶が森(石鎚山だけはガスの中)
南に遠く高知の山並が霞む
北は西条市街から瀬戸内海遠くしまなみ海道の橋桁まで
特に午後は穏やかで、こんないい天気は珍しいと感動を分かち合う。

13:10下山開始。
納会名物「ぜんざい」が待っているためか、
賞味期限内のエネルギーがそうさせるのか、
下りは早いが少しだけ待ってよ。

登りの景色と下りの景色は違います。
「辻斬り撮法(歩きながらいい加減で撮影する意)」でも撮り残しがあると悔いが残りますので、、、、。

←大虎発見!?来年は『寅年』ですね。
振り返れば寒風山の頂上がきれいに見える。
逆光の桑瀬峠も素晴らしい。
14:00桑瀬峠まで下山。
ぜんざいのコック長は先発下山。
相変わらずここは風が吹き上げて来て寒い。

長居は無用と下ることに。
登り下りに見た樹木に雪形がありました。
自然の造形のコアラ、へび、いぬ、

さるetc
登りで喘いだ急坂、下りの方が大変だ。

堂が森で痛い目をした教訓を守って慎重に下りました。
14:30皆さんとぜんざいの待つ出発点にやや遅れて下山。
山陰は日暮れが早い、日が落ちると急に寒くなる。
手早く身仕舞をして、

納会名物ぜんざいを頂く。
残らないよう投げ売り、押し売り気味に完売(完食)
納会のセレモニーで来年の活動発展を誓いシャンシャンで打ち上げた。
帰途林道の下りはチエンを付け、無事R194まで下り、来た道をリターン。
横河川原の駐車場まで戻ると石鎚連山が夕日に赤く染まり、くっきり浮かんで見えた。
「山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 ゆふべもよろし あしたもよろし」
快晴で最高の雪山登山でした。
来年寅年も頑張りましょう。みなさん佳いお年を。